英語と向き合う 1

 保護者の方から英会話教室への通塾について、よく相談されます。当教室では、英語は扱っていませんが、未来を育る子供たちにとって英語力は必須です。私も英語を使って仕事をしていたことがありますので、英語の必要性を十分理解しています。子を持つ親にとっては、関心の高い話題だからこそ「英語塾(教育)」についてブログに投稿しておきたいと思います。

 英語教室にお子さまを通わせることをご検討の方は、一度立ち止まってお読みいただき、ご参考になれば幸いです。

 実は、私たちには息子がおります。20年ほど前に、私たちも子どもの英語教育について悩んだ時期がありました。体験レッスンに来られ、入塾を希望される保護者の皆さまと同じように、私たちも真剣に子供の将来に、今の自分たちができることは何かを悩んでいました。

 このブログ、長くなりそうなので結論だけは先に書きます。「英語の音」が聞き取れれば、英語は面白いように使えるようになります。ボソボソと話せる程度であっても、話せる言葉から聞き取れるようになります。英語の習得は、決して難しいことではありません。

 さて、英語は世界の約26%国と世界人口の約25%の人が使っている言語です。数にすると約15億人。世界196ヵ国のうち54ヵ国で使われているグローバルな言語です。

 学術・研究の分野に留まらず、インターネットでは、既に英語が共通語として定着しています。英語が使えれば、世界中の知性に容易にアクセスできますし、Zoomなどを使えば世界中の友人と顔を見ながら会話もできる時代です。

 未来を生きる子どもたちにとって「英語が使えることは常識」と考えても、それは自然な流れとも言えます。しかし英語を母語としているネイティブ・スピーカーは、英語人口のうちの1/4。つまり、コミュニケーション言語として英語を使っている人の殆どが、英語を母語としていないということです。詳しい数値は(https://english-club.jp/blog/english-world-population/)をご参照ください。

 英語を母語とするネイティブ・スピーカーが最も多い国は、アメリカです。アメリカは移民の多い国ですが、英語を母語とするネイティブ率は人口の66%(2億5,200万人)と言われています。英語が母語であるイギリスのネイティブ率は、人口比16%という驚愕の低さです。このことからも、アメリカの英語(母語)教育の本気度が推し量れます。それだけにアメリカで実際に行われている英語教育と教育現場での苦労と工夫から生まれた教育法を知ることは、子どもたちの英語教室選びに大いに意味のある事だと思いませんか?

 そこで『アメリカの小学校では、こうやって英語を教えている(リーパー・すみ子:径書房)』の「英語が話せない子どものための英語習得プログラム」ライミング編とガイデット・リーディング編という2冊の本をご紹介させて頂きます。

 ライミング編は今回のブログで、ガイデット・リーディング編は次回のブログでご紹介したいと思います。この本を紹介する理由は、2つあります。

 一つ目は、まさに、いまアメリカで行われている英語教育だからです。

 ライミング編(本文より抜粋)

 アメリカでは、十数年前から移民の数が急激に増えています。そこでアメリカ政府は、少数民族である移民の子どもたちがもっている文化を尊重しようと、母国語と英語の両方を使うバイリンガル教育を推進する政策を取ってきました。(中略)試行錯誤の結果、私たちの学校で取り入られた英語教育の理論が、ライミング(韻文)を使って耳をきたえていくことから始める「フォネミック・アウェアネス=音素認識」とていねいに読んでいく精読に徐々に導いて行く「ガイデット・リーディング」です。【以上、本文より抜粋】

 つまり著者のリーパー・すみ子さんは、英語圏で生活するから英語が話せるようになるのではなくて、ちゃんと教育しないとアメリカに住んでいても英語は身に付かない。ということをアメリカで実際に幼児童に行っている英語(国語)教育を通じて、私たちに『英語教育は幼児童期に遊びを通してライミング(韻文、つまり「音」から「単語(文字)に移行する手法)から」興味を持たせなきゃだめですよ。』と伝え、具体的な手法を紹介している本です。(母語教育という点については、別の機会に譲りたいと思います。)

 二つ目は、外国語は「日常的に「音」に触れ、使わないと身に付かない。」ということを改めて気づかせてくれるからです。

 ライミング編(本文より抜粋)

 私が勤めていた小学校では、朝9時から10時までの1時間(中略)徹底的な少人数国語(英語)教育を実施。(この取り組みにより)わが校の全国試験の結果は実際に上がっていきました。【以上、本文より抜粋】

 要するに、英語の「音」と「文字」のルールを覚える訓練を、毎日かかさず一定時間継続して行う必要がある。というのです。そのための手法を7段階で具体的に説明し、そのために必要なことは、ライミング・ソングを聞くこと。その他、絵本の読み聞かせなどを具体的に整理して紹介してくれています。

 英語教室に通ったとしても、レッスンは週1回です。あとはご自宅で、購入したCD教材を毎日…聞いてくれるのでしょうか?
 毎回の教室を楽しみにし、毎日子どもが楽しく英語に接することが可能な教室…あるのかな…。

 幼少期に英語教室に通ったから、必ず英語を使えるようになる訳ではない理由がここにあるように思います。最近ではDVDもありますが…。

 ではどうしたらよいのでしょうか?

 論理エンジンの開発者である出口汪先生は「幼少期の脳の発達進度を活かして、「英語の音」は幼児期にたくさん子どもの耳に入れてあげるべき。」とおっしゃっています。私も同感です。そしてそのためのヒントがたくさん詰まっているのが今回紹介している本です。

 紹介されているライミング・ソング、例えば「Grandma's Glasses」をYouTubeで検索を掛けるとものすごい数の動画がヒットします。画質も良く字幕付きのモノがほとんどで、しかもすべて無料で再生できて、音声はもちろんネイティブです。「ライミング 英語」「わらべ歌 英語」などで検索してみて下さい。

 スマホやiPad、最近のTVなら大画面でYouTubeも再生できるので、毎朝TV番組の代わりに流してみてはいかがでしょうか?ときには一緒に歌って、子どもが飽きたら次の動画へ。しかも数え切れぬほどの動画がアップされています。サイトに登録する必要なければ、お金もかかりません。

 幼児期に身につけた「音感」は、その後なくなることはなく一生涯に渡って子どもの財産となります。これは多くの言語学者や脳学者が検証している既知の事実ですので、積極的に聞かせてあげてください。そして一緒に遊んで下さい。効果はあります。

 日本の英語教育はどこを目指しているのでしょうか。

 私がきょうこ先生と息子に英語の「音」を執拗に聞かせたのは、もう20年も前です。当時は、インターネットはあってもYouTubeまではありませんでしたし、動画がスムーズに見れる時代でもありませんでした。

 それでも英語の音遊びを経験した息子は、その後独学だけで、英語圏ならどこへでも一人で旅して楽しんでこられる青年になっています。この話の続きと、リーパー・すみ子さんの著書の「ガイデット・リーディング編」は別のブログで書かせて頂きます。

みらい学習教室(東大和中央)代表 杉本和功

みらい塾(出口式)

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